防犯ガラスの基礎知識|おすすめ商品の価格や種類・選び方について

住宅などの建物に設置されている窓には安価なフロートガラスが多用されていますが、衝撃に弱く割れやすい欠点があります。

空き巣などの被害を防ぐには防犯性の向上が不可欠です。

安全に暮らすためにも防犯ガラスの詳細について学びましょう。

 

侵入被害を防ぐ効果がある防犯ガラス

窓ガラスの防犯性について

窓ガラスの多くは安価で量産が容易なフロートガラスが使われています。

透明度が高く、室内に日差しを入れるのに便利ですが、その一方で簡単に割れてしまうのが欠点です。

 

空き巣被害は窓ガラスを割って侵入するケースが多いため、窓ガラスの防犯性を向上させることが被害に遭わないための必須条件と言えるでしょう。

 

しかし、防犯性を期待する人に適した窓ガラスは決して多くありません。

 

頑丈そうに見える網入りガラスや名称から安全に思える強化ガラスも防犯性はほぼ皆無です。

 

侵入被害を防ぐなら防犯ガラスが最も良いでしょう。

 

防犯ガラスの特徴や効果

防犯ガラスは二枚の板ガラスで特殊なシートを挟んだ構造になっています。

シートは非常に頑丈な作りなので、力任せに叩いても破れることはほぼありません。

また、シートの吸着力でガラスの破片が飛散しないのも防犯性の向上に繋がっています。

防犯ガラスはひびが入っても破片が飛び散らず、侵入犯が手を入れるだけのすき間も生じない点が高く評価されています。

侵入を防ぐ効果の高さから理想的な防犯設備として注目されているのは否定できない事実です。

 

防犯ガラスの種類について

防犯ガラスには基準がある

一口に防犯ガラスと言ってもその種類や効果は様々でメーカーごとに品質の違いがあります。

品質の基準は破壊の方法やガラスの厚さなどで比較されますが、強力な破壊方法にも耐え、厚みもある防犯ガラスほど高品質と言えるでしょう。

 

この基準に関しては硝子メーカー大手の旭硝子株式会社(AGC)、日本板硝子株式会社、セントラル硝子株式会社から構成される板硝子協会でガラスの破壊実験をし基準を設けています。

実験の内容は窓からの侵入手口で被害が多い打ち破りとこじ破りで実験しており、品質の基準を示す表記の中で打ち破りの防犯性能P2A以上+こじ破りの防犯性能P2K以上の基準を満たす物だけが防犯ガラスとして扱われます。

※打ち破り:バールやハンマーなど固い道具で一気に窓ガラスを壊す手口
※こじ破り:ドライバーなどで音を立てず部分的にガラスを割る手口

 

防犯性能の基準の表を以下に記載していますので参考にしてください。

 

打ち破りの防犯性能の基準

分類
P1A 合わせガラス
FL3mm+中間膜30ミル[0.76mm]+FL3mm
FL3mm+中間膜30ミル[0.76mm]+PW
P2A 合わせガラス
FL5mm+中間膜30ミル[0.76mm]+FL5mm
P3A 合わせガラス
FL3mm+中間膜60ミル[1.52mm]+FL3mm
FL3mm+中間膜60ミル[1.52mm]+PW
P4A 合わせガラス
FL5mm+中間膜60ミル[1.52mm]+FL5mm
合わせガラス
FL3mm+中間膜90ミル[2.28mm]+FL3
FL3mm+中間膜90ミル[2.28mm]+PW
P5A 合わせガラス
FL5mm+中間膜90ミル[2.28mm]+FL5mm

※1 ミル=1/1000 インチ(0.025mm) 30 ミル=約 0.76mm FL=フロート板ガラス PW=網入磨板ガラス

 

こじ破りの防犯性能の基準

分類 単板ガラス 複層ガラス
P1K 合わせガラス(FL3mm+中間膜15ミル[0.38mm]+FL3mm)
耐熱強化ガラス 6.5mm
普通のフロート板ガラスによる複層ガラス
(FL3mm+空気層+FL3mm)
アタッチメント付き複層ガラス(FL3mm+空気層+FL3mm)
P2K 合わせガラス(FL3mm+中間膜30ミル[0.76mm]+FL3mm)
P3K 合わせガラス(FL3mm+中間膜60ミル[1.52mm]+FL3mm) 合わせ複層ガラス(FL3mm+空気層+(FL3+中間膜 30ミル[0.76mm]+FL3mm))
耐熱強化複層ガラス(FL3mm+空気層+耐熱強化ガラス6.5mm)加撃面 FL3mm
強化複層ガラス (FL3mm+空気層+強化4mm)加撃面 FL3mm

※1 ミル=1/1000 インチ(0.025mm) 30 ミル=約 0.76mm FL=フロート板ガラス PW=網入磨板ガラス

 

CPマークは防犯ガラス選びの目安

防犯ガラスの中にはCPマークがついている物もあります。

CPマークは警察庁をはじめとする省庁と日本サッシ協会などの民間団体の合同会議で決められた製品だけに与えられます。

CPマークのある防犯ガラスは業界の折り紙付きと言っても過言ではありません。

防犯ガラスに迷ったらCPマーク付きの製品を選べば間違いないでしょう。

 

防犯ガラスのおすすめ商品や価格の相場を紹介

 

セキュオ30 19,500円~
セキュオ60 23,000円~
セキュオ90 33,000円~
セキュオSP 65,700円~
セキュオペア30 24,900円~
セキュオペア60 33,300円~
セキュオペアSP 73,800円~

 

防犯ガラスを使う場所の選び方

防犯性の向上を考えて交換する

防犯ガラスを使えば侵入被害のリスクを大きく軽減できるのは事実ですが、すべてのガラスを交換するのは現実的ではありません。

防犯ガラスの価格はメーカーによって多少の違いがありますが、1平方メートルで約2万円から4万円ほどです。

これはあくまでもガラス単体の価格であり、窓枠に合わせた裁断や交換などの作業工賃を加えるとさらに高額化します。

 

一般的な住宅のベランダを防犯ガラスに交換した場合、10万円以上の価格になることも珍しくありません。

そのため、一般の住宅では防犯ガラスをどこに設置するかが重要と言えるでしょう。

 

サイズが大きいベランダや死角になりやすい浴室などに導入するケースが多くを占めています。

 

二階以上の窓にも設置することが大切

空き巣の侵入被害を防ぐのに効果的な防犯ガラスですが、より安全な環境を保つなら建物の二階以上の窓もガラス交換を行う必要があります。

手が届かない高さの窓だから大丈夫だと過信し、フロートガラスのままにするのは非常に危険です。

 

防犯ガラスは高額なのですべての窓を交換するのは現実的な方法とは言い切れませんが、できるだけ多くの窓に気を配ることが重要でしょう。

 

二階以上の高さでも大きなサイズの窓や目立たない場所にある窓は防犯ガラスにするのが安全です。

 

少ない出費で防犯性を向上させる工夫や注意点

防犯ガラスフィルムについて

防犯効果を向上させたいがお金をあまりかけることができない場合は防犯ガラスフィルムという選択肢があります。

フロートガラスに貼り付けることで防犯ガラスと同程度の強度を持たせることが可能です。

 

価格も数千円ほどの製品が多いので、防犯ガラスへ交換するよりもコストを低く抑えることができます。

 

リーズナブルな方法と言えますが、防犯ガラスフィルムはわずかでもすき間やズレがあると簡単に割れてしまうので注意が必要です。

窓枠のサイズにぴったり合わせないと期待するだけの防犯効果は得られない他、素人作業では綺麗に貼り付けるのが困難なので窓ガラスの専門業者に依頼するのが賢明と言えます。

 

経年劣化にも注意が必要

防犯ガラスフィルムは低いコストで導入できる一方、防犯ガラスよりも傷みやすい欠点があります。

特に経年劣化は無視できない問題であり、直射日光が長時間当たる環境では10年ほどで交換しなければいけません。

新しいフィルムに交換する際は古いフィルムを綺麗に取り除き、ごみをわずかでも残さないのが正しい方法です。

 

防犯フィルムはホームセンターなどの店舗で購入できますが、しっかりと貼り付けるなら専門業者に任せる必要があります。

 

窓ガラスの防犯管理は正しい知識に基づいて行うことが肝心

窓ガラスは元々、衝撃に弱い設備です。

サイズが大きくなるほど割れるリスクも増大するので、防犯管理を徹底するなら優先順位を決めて取り組む必要があります。

防犯ガラスの特徴を把握し、価格も考慮したうえで交換するのが安全な環境を保つ秘訣です。

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